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ヴィクトリア時代から存在している!?メモリアルジュエリーとは

  • 執筆者の写真: lonite
    lonite
  • 2024年7月8日
  • 読了時間: 7分

現在、コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の影響で、原油価格や原材料の上昇し、国民の消費活動は停滞するなど日本経済は落ち込み、私たち日本人を取り巻く環境もがらりと変わってきています。


そのような現代を生きる私たちにとって、葬儀の際の費用(平均250万円)はあまりにも大きく、仏壇を置かない家庭も増えてきている。若い世代を中心に、都市部に人口が集中し、地方へのお墓参りが難しいことが社会問題にもなっています。


しかし最近、新しい供養方法があるのをご存知でしょうか?

従来のお墓での供養に加えて、遠方で行けない人を中心に、手元供養という方法が広まりつつあります。

一般的に知られている手元供養としては、亡くなった方の遺骨や遺髪を入れてデザインしたジュエリーを製作する「メモリアルジュエリー」があります。


最近は手元供養のみならず、入籍や結婚などパートナーとの記念日に製作する、メモリアルなジュエリーをはじめ、子どもの生誕記念やペットの手元供養などもあるため、メモリアルジュエリーの需要は多岐にわたっています。


今回は前述の手元供養をはじめ、メモリアルジュエリー(遺骨ジュエリー)のブランドや種類、歴史を紹介します。



メモリアルジュエリー(遺骨ジュエリー)とは?


メモリアルジュエリーとは、手元供養向けに大切な人やペットの一部をペンダントやリングに入れてデザインし、ジュエリーを製作すること。代表的なものとして、遺骨アクセサリーなどがあります。


大切な人が亡くなると、誰もが深い悲しみに落ちることでしょう。そのような時に、故人の遺髪や遺骨をアクセサリーに込めて手元供養することで、その後の人生も共に歩むことができ、辛い悲しみから解放され、心に安らぎをもたらしてくれます。


その他にも、結婚記念日などにパートナーの髪の毛などを入れた、メモリアルジュエリーを製作して肌身離さず持ち歩く人もいます。


また、人間同様に失って悲しいのはペットも同じです。最近、ペットロスという言葉がある通り、ペットの重要性が増えてきています。ペットを手元供養する方法として、遺骨を込めたジュエリーが流行しています。手元供養することで、ジュエリーにペットのソウル(魂)が宿り、亡くなった後も一生涯共に過ごせることで、悲しさや寂しさが軽減されるでしょう。


メモリアルジュエリーの歴史


欧州では、古くから手元供養の意味合いを持つ、メモリアルジュエリーが着用されてきました。メモリアルなジュエリーの中でも、喪に服すため身に着けるモーニングジュエリーは、中世から存在します。その後も時代の移り変わりとともに、さまざまな手元供養するためのジュエリーが誕生しました。


ここでは、そういったメモリアルジュエリーの歴史を紹介します。


モーニングジュエリー(Mourning Jewelry)は本来、喪に服す期間に身に着けるものとして知られていました。Mourningの意味は悲しみや追悼、哀悼を表しており、欧州では服喪中や葬儀の際には、主に黒いデザインの服と黒い宝石を身に着ける習慣がありました。



  • 写真


アンティーク・ビクトリアン・ダイヤモンド・モーニング・リング


遡ること約400年前の17世紀半ば、当時のイギリスは内戦の真っ只中で、チャールズ1世が処刑された。その後、彼が治めていた時代を懐かしんだ人々が、彼の 遺髪を入れたヘアジュエリーなどを手元供養の意味も込めて身に着けたことがきっかけで、このモーニングジュエリーが生まれました。当時の欧州は、疫病や戦争によって多くの人が苦しみ、死が身近にあったこともあり、故人の遺髪など一部を入れたヘアージュエリーで手元供養することによって、人々は安心感を得ていました。


モーニングジュエリーは時代の変化にどんどん多様化していき、19世紀のヴィクトリア期に全盛期を迎えます。イギリスでは1861年にアルバート公が亡くなられた後、ヴィクトリア女王は実に40年もの間、喪に服しました。


それにより、モーニングジュエリーや黒い宝石やデザインを国民が目にする機会が増え、徐々に一般社会にも浸透していきました。その後、産業革命での中間層の増加で、宝石や高度にデザインされたジュエリーの需要が高まり、喪中期間以外にもモーニングジュエリーを着用する人が増え大流行しました。


当時のモーニングジュエリーは、黒いエナメルやジェットを使用し、


ジュエリーのモチーフとして


  • 故人の名前

  • 年齢

  • 日付 など


が刻まれているデザインのジュエリーを使用した、ペンダントやブレスレット、リングが数多く作られていた。


また当時、流行したジュエリーの主なデザインとしては、アルバート王子が18歳で即位した際に、ヴィクトリア女王に贈った蛇をジュエリーのモチーフにした婚約指輪はじめ、花や鳥など自然を題材にした、繊細なものから愛する人へのメッセージを込めたデザインのジュエリーなどがあります。そして現在、当時のモーニングジュエリーが注目され、アンティーク品として高値で取引されています。


また欧州では、中世から手元供養向けに愛する人や家族などの遺髪をジュエリー内部に入れたヘアージュエリー(Hair jewelry)が愛用されてきましたが、実はこのヴィクトリア期にも流行しました。髪の毛は、時間が経っても品質が低下せず耐久性があるので、数百年単位のヘアージュエリーに使用することが可能です。また、当時の葬式形式が土葬だったこともあり、ヘアージュエリーが製作されていました。


一方、日本でも明治時代頃から、イギリスのジュエリーの影響を受けて、皇室や貴族もこういったデザインのメモリアルジュエリーを身に付けるようになりました。現代日本人が、葬式の際に黒い服を着るのが習慣化されたのも、この頃の影響と言われています。


上記で紹介した、モーニングジュエリーやヘアージュエリーなどのメモリアルジュエリー、宗教的な信仰や結婚する際に身に着けるジュエリー、主に冠婚葬祭や節目の際などさまざまな理由で身に着けるジュエリーのことを総評して、「センチメンタルジュエリー」と呼びます。


このように、人々は数百年も前から、さまざまな想いをセンチメンタルジュエリーに込めていたことがわかります。



アンティーク風のグリーン遺骨ダイヤモンドから作られたソウルジュエリー

現代のメモリアルジュエリーの種類


これまで、メモリアルジュエリーの誕生してからの歴史を紹介してきました。想いが込められたジュエリー文化は、時代の移り変わりとともにさまざまな形に姿を変え、現代へ脈々と受け継がれています。

さて、メモリアルなジュエリーといっても、実はアクセサリーブランドによってさまざまな種類や、デザインのジュエリーがあるのをご存知でしょうか?


現在、最も流行しているジュエリーは、ペンダント(ネックレス)やブレスレットで、他にもリング(指輪)やブローチなども一定数人気があります。またメモリアルジュエリーは、遺髪などが封入できるインナーポケット(収納機能)があります。そしてたくさんのデザインや素材があるので、お好みに合わせたジュエリーが製作可能です。


手元供養としてのアクセサリーブランドの中でも、ソウルジュエリー(Soul Jewelry)というブランドがある。ソウルジュエリーのブランドカラーは赤。最愛の人との強い絆を表しています。



現在は遺髪だけでなく遺骨も封入している


これまで紹介したメモリアルジュエリーは、主に手元供養するために故人の遺髪を入れることが主流でした。しかし近年、火葬が普及したことで、手元供養向けにデザインされたジュエリーに遺骨を封入する遺骨アクセサリーも増えてきました。


通常、ダイヤモンドは炭素からできています。スイスの遺骨ジュエリーブランドのLONITÉ™(ロニテ)は、亡くなった方の遺骨や遺灰、髪の毛から炭素を抽出し、手元供養するために「遺骨ダイヤモンド」を製作することで、これまで大切な人を失った多くの人の心を救ってきました。LONITÉ™の特徴としては、遺骨ダイヤモンドペンダントや遺骨ダイヤモンドピアスなど、さまざまなメモリアルジュエリーの加工ができること。また、流行に合わせて宝石の色やジュエリーのデザインを選べる自分だけのオーダーメイド製作も魅力の一つです。最近日本でも、お墓参りにいけない方を中心に、手元供養向けにメモリアルジュエリーの需要が高まっています。



まとめ


人生で一番の幸せを考えてみると、やはり大切な人と過ごした思い出に行きつく人も多いはず。愛する人と過ごした日々は何にもかえがたい自分だけの宝物に違いありません。


モーニングジュエリーやヘアージュエリーなどのメモリアルジュエリーを持つ理由は、結婚など人生の最も幸せな瞬間から、大切な人の手元供養などと人それぞれ違います。


しかし、大切な人との思い出をジュエリーやデザインに込めるという意味では皆同じです。


できることならば、大切な人と少しでも多くの時を過ごしたいと思うのは人間の本望といえます。そのような愛する人への想いを込めたデザインのジュエリーを手にすることで、これから先も二人の物語は永遠に続いていくでしょう。



 
 
 

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