大切な人が亡くなったとき、「形見が欲しい」と感じるのは当然のこと。特に遺髪は、愛する人の体の一部ですから、形見として持ち帰りたいという方もいらっしゃるでしょう。 そこで今回の記事では、遺髪の保存方法と気を付けること、遺髪を形見として残すためのやり方を詳しくご説明します。さらにペットの毛を形見にする方法もご紹介。
遺髪を形見にして、いつまでも亡くなった方を想いたい方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
遺髪とは?
宗教上の理由で遺髪を形見として残すのは縁起が悪いという噂もありますが、必ずしもそうではありません。
遺髪とは、故人の形見として保管する髪の毛のことです。遺髪を形見にする習慣は、世界中で行われてきました。 遺族や葬儀社が故人の髪の毛を切り、遺髪を形見として持ち帰るという流れが一般的です。形見分けの際にも、遺髪を形見にするケースもあります。 持ち帰った遺髪をどのようにするかは、人それぞれです。故人の冥福と平安を祈って神社やお寺に奉納する方もいますし、自宅で入れ物に入れて保管する方もいます。
遺髪を入れ物の中に入れてペンダントにする保存方法や、遺髪から作られるメモリアルダイヤモンドも人気です。
遺髪の保存方法
遺髪の保存方法が間違っていると、髪の毛にカビが生えたり、傷んだりする原因になります。大切な人の髪の毛を台無しにしないためにも、正しい保存方法で管理しましょう。
遺髪の正しい保存方法1.和紙や入れ物に入れて湿気対策
湿気が多い場所に保存すると、カビや菌の繁殖につながります。水回りには置かないように気を付けましょう。
保存方法のコツは、乾燥剤や除湿剤などを入れ物に入れ、湿気対策すること。
遺髪の保存方法としておすすめなのは、吸湿性と通気性に優れている「和紙」で包むやり方です。
和紙は室内の温度が高いとき、吸湿する性質があるため、遺髪の保存方法・入れ物として最適です。
さらに、密閉できる入れ物に保存すると、より安心でしょう。大切な方の遺髪にカビが発生してしまったら、悲しい気持ちになりますよね。宝物だからこそ、できる限りの湿気対策をしておきましょう。
遺髪の正しい保存方法2.紫外線対策をする
遺髪の保存方法で大切なのは、湿気対策だけではありません。実は紫外線も遺髪の大敵です。
髪の毛は紫外線にも弱くダメージの元となります。紫外線が当たることで乾燥し、キューティクルが剥がれやすくなり、ツヤがなくなるのです。
紫外線を避ける保存方法は、直射日光の当たらない部屋に保管すること。できれば入れ物に納めた状態で、引き出しなどに大切に保存しましょう。
遺髪はデリケートなので、入れ物や保存方法には気を付けるポイントがたくさんあります。正しい保存方法で、大切な髪の毛を守りましょう。
遺髪を形見として残す方法
形見として遺髪を残す方法には、大きく分けて3つの方法があります。
遺髪を形見として残す方法
1.遺髪ペンダント
「遺髪ペンダント」はメモリアルアクセサリー のひとつで、遺髪を入れ物の中に納められるペンダントです。入れ物には遺骨も納められるので、「遺骨ペンダント」とも呼ばれています。 遺髪ペンダントの素材はさまざまありますが、ステンレス製とチタン製のアクセサリーが主流です。
ステンレスもチタンもサビにくく、耐久性に優れているので、遺骨ペンダント向きの入れ物です。そしてどちらの遺髪ペンダントも、金属アレルギーを起こしにくい素材です。
チタンとステンレスのペンダントの違いは、その重さです。チタンタイプの方が軽く、女性が身に着けるアクセサリーとしても好まれています。
遺髪ペンダントの値段は、安価なアクセサリーであれば、1,000円前後から購入可能です。プラチナなどの素材が使われている遺髪ペンダントの場合、高いもので50万円以上の値段がついたアクセサリーもあります。
2.メモリアルダイヤモンド
メモリアルダイヤモンドはネックレスや指輪、イヤリングに加工ができます。
近年、故人の形見として話題を呼んでいるのが「メモリアルダイヤモンド」です。メモリアルダイヤモンドとは、遺骨や遺灰、髪の毛を使って人工的に作製するダイヤモンドのことを指します。 「どうして髪の毛からメモリアルダイヤモンドを作れるの?」と疑問に思われたかもしれません。 その答えは、ダイヤモンドと遺骨や髪の毛に含まれる成分にあります。 天然ダイヤモンドの成分は炭素です。遺骨や遺灰、髪の毛にも炭素が含まれているので、それらから炭素を抽出します。そして、最新技術と熟練した技工士の手によって、メモリアルダイヤモンドが出来上がるのです。
また、メモリアルダイヤモンドはペンダントやリング、イヤリングなどのジュエリーに加工できます。 大切な方の遺髪が入ったメモリアルダイヤモンドで作るアクセサリーは、まさに特別そのもの。
メモリアルダイヤモンドの値段は、メーカーやデザイン、ダイヤモンドの品質によっても違いがあります。LONITEの場合、最も値段のお手頃なメモリアルダイヤモンドは、28万5,000円です。
アクセサリー加工を施す場合は、別途追加料金がかかります。アクセサリーのデザインや素材も豊富にあるので、事前に相談するといいでしょう。
3.骨壷
遺骨や遺灰を形見にする入れ物として、骨壷は定番のアイテムです。最近では、インテリアとして飾れるタイプの骨壷も増えています。
遺灰を納めるための骨壷なら、かさばらないミニ骨壷がおすすめです。片手、もしくは両手に収まるくらいの骨壷であれば、持ち歩く際にも便利ですね。 骨壷の値段は、シンプルなものであれば500円から1,000円ほどで購入できます。ガラス製の骨壷など特別な素材を用いている骨壷の場合、数万円が相場です。
値段の安さで骨壷を決めるのではなく、湿気対策ができるものや、耐久性のある入れ物を選ぶといいでしょう。
亡くなったペットの毛を形見にする方法
ペットも家族の大切な一員と思っている方も少なくないでしょう。そんな方は、ペットの遺髪や遺骨を形見として残してはいかがでしょうか。
ペット葬が増えていることから、ペットの遺髪を納められる専用の入れ物はたくさんあります。遺灰ペンダントも、ペットの遺骨や遺灰の入れ物として人気です。
また、ペットの遺骨や遺灰、遺髪からもメモリアルダイヤモンドを作製できます。
ダイヤモンドは世界一の硬度を誇る宝石ですから、メモリアルダイヤモンドは愛するペットの形見としてもぴったりです。
まとめ
今回は、遺髪の正しい保存方法と形見にする方法を3つお伝えしました。 遺髪を綺麗な状態で保存するには、湿気や紫外線対策などをしっかり行う必要があります。
管理が大変だと感じる方には、遺骨ペンダントやメモリアルダイヤモンドなどを用いて、アクセサリーにする方が合っているかもしれません。 亡くなった方やペットの遺髪を形見にすれば、きっといつまでも大切な存在の温もりを感じられるでしょう。
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